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音楽
フローレス「モーツァルトのオペラ・アリアを歌う」

クラシック

266ch  クラシカ・ジャパン

放送時間 21:00 〜 22:25
出演者、他
再放送 5/13 22:45 〜 24:10  マイリスト登録
5/14 19:35 〜 21:00  マイリスト登録
5/15 15:10 〜 16:35  マイリスト登録
5/16 11:10 〜 12:35  マイリスト登録
5/17 07:45 〜 09:10  マイリスト登録
5/18 13:55 〜 15:20  マイリスト登録
5/26 13:55 〜 15:20  マイリスト登録

©BFMI

1996年にペーザロのロッシーニ・フェスティヴァルでセンセーショナルなデビューを飾るやいなや、「史上最高のロッシーニ歌手」として瞬く間に頂点へと駆け上り、近年はベッリーニやドニゼッティなどにもレパートリーを拡大している「ベルカント・テノールの王」フアン・ディエゴ・フローレス。実はこれまでモーツァルトを歌うことには慎重な姿勢を示していた。彼の艶やかで優雅に輝く美声と類まれな正確なメリスマをもってすれば、モーツァルトをレパートリーに加えることに何の躊躇も要らないように思えるが、よりストイックで内面的な感情表現が必要なモーツァルトを歌うのにふさわしい時期が来るのを、周到に準備しながら待っていたのだ。そしていよいよその時が来た。アリア・アルバムを録音してモーツァルトを解禁したのは、フローレス44歳の2017年。この公演は、同年ミュンヘンのキュヴィリエ劇場で行なわれたオール・モーツァルト・プログラム。まだ生地ペルー・リマの音楽院の学生だった18歳の時に、『魔笛』の合唱に参加してモーツァルトの虜になったというフローレス。その原体験からおよそ四半世紀。まさに満を持して、の挑戦。まだバロック的な装飾フレーズの残る初期の『牧人の王』から、最晩年のドイツ語によるジングシュピール『魔笛』まで、モーツァルトの多彩なオペラ表現を強い説得力で歌い切る。情感豊かな『ドン・ジョヴァンニ』、王の品格漂う『イドメネオ』、ドラマティックな構成の対比を鮮やかに描くレチタティーヴォとアリア『あわれ、おお夢よ!/息吹くそよ風』。声楽における心理表現というものが、パーフェクトな歌唱技術に裏打ちされてこそ真の価値を発揮するのだと、理屈抜きに気づかせてくれる見事な歌唱。管弦楽は、チューリヒ歌劇場が通常の管弦楽団と別に常設しているピリオド楽器オーケストラ「ラ・シンティッラ」。指揮のリッカルド・ミナーシは、もともとイル・ジャルディーノ・アルモニコやコレギウム・ヴォカーレ・ゲントなどの古楽アンサンブルでコンサートマスターを務めたヴァイオリニストで、2016年からはザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団の首席指揮者を務め、またオペラ指揮者としても目覚ましい活動を繰り広げている。オーケストラのチューニングは現代と同じモダン・ピッチ。「キング・オヴ・ハイD」とも呼ばれるフローレスの高音を遺憾なく発揮させるための選択だと思われるが、それでもモダン・オケではなく、作品にふさわしい古楽オケとの共演を選んだことにも、フローレスのモーツァルトへの想いとこだわりが垣間見える。会場のキュヴィリエ劇場は、1781年にモーツァルトが『クレタの王イドメネオ』を初演した由緒ある宮廷劇場で、1806年にバイエルン公国が王国に昇格した際にはナポレオン臨席の下、『ドン・ジョヴァンニ』が上演された。美しいロココ様式の内装が、まるでモーツァルトの時代にタイムスリップしたかのような味わいを漂わせている。このコンサートの半年前にほぼ同じ曲目で収録したCDは、フローレスのソニークラシカル・レーベルへの移籍第1弾としてリリースされ、日本でも高い評価を得た。新たな冒険に見事なスタートを切ったフローレス。今後は、まだ果たしていないモーツァルトのオペラ全曲舞台でも名唱を残してゆくはず。その日がそう遠くはなさそうだと予感させる番組。